HCAP(エイチキャップ)とはHarvard College in Asia Programの頭文字をとったものです。ハーバード大学に本部を置く学生主体のプログラムで、毎年、アジアの大学から8校程度が選考され、ハーバード大学との短期交換留学プログラムを開催しています。ハーバード大学とアジアのトップレベル大学との間で,Academic(学問的)・Cultural(文化的)・Social(社会的)な視点から学生会議を行うことで相互理解を促し、将来世界のリーダーとなる学生達の間にその基礎となるパートナーシップを築くことを目的としています。



 HCAP東京大学運営委員会は、HCAPの一支部としてハーバードカンファレンスへの参加、及び、東京カンファレンスの計画・運営・参加をするために結成された団体で、今年はその18期目にあたります。 弊団体の大きな特徴は、各期が東京大学の1年生から選抜され、現役としての活動が1年間で完結する点です。ここには、少数精鋭のチーム一人一人の人間が、HCAPでの1年間を通じて得る圧倒的な経験を出発点として、その後自立した「個」として世界に挑戦していってほしいという団体の思いがあります。



 18期構成員として選抜された13名のメンバーの個性は非常に多様であり、文系と理系、男子と女子といった違いにとどまらず、バックグラウンドや個々の興味関心の分野でも幅広さが見られます。このようなメンバー同士が本気で議論しあう場であるHCAP東京大学委員会では、日々新たなアイデアが生みだされ続けます。



 また、経験の少ない18期を補佐する存在としてはHCAP東京大学運営委員会1~17期のメンバーが挙げられます。引退後も積極的に現役期をサポートし続ける彼らの存在は東京カンファレンスの運営に欠かせません。



 期を重ねるごとに経験が蓄積し、成長を続けるHCAP東京大学運営委員会をどうぞよろしくお願いいたします。

 HCAPの活動は、ハーバードカンファレンス(ハーバード大学に各国の学生を派遣するプログラム)と東京カンファレンス(ハーバード大学の学生を東京に招待するプログラム)の二つから成り立っています。毎年、HCAP東京大学委員会は、1月末にボストンで行われるハーバードカンファレンスに10人ほどのメンバーを派遣し、3月中旬に10数名のハーバード生を受け入れる東京カンファレンスを計画・運営しています。



Harvard Conference


 HCAPでは1月中旬から一週間ほど、米ハーバード大学において、「ハーバードカンファレンス」と呼ばれるイベントが行われます。アジアの数カ国から各一校ずつ、10人前後の代表団がハーバードに招致されるのが伝統です。参加者はハーバードの寮に泊まり、一週間にわたって各国の大学生と講義や議論、体験活動などを通じて交流します。2019年度はイスタンブール、ドバイ、ムンバイ、シンガポール、バンコク、香港、ソウルからの各大学と東京大学が参加しました。参加者は多様な価値観に触れ、視野を広げ、他者との相互作用の間で成長することを目指します。



Tokyo Conference


 3月におよそ一週間の間、ハーバード生を東京に迎えます。短い期間ではありますが、ハーバード生と行動をともにすることで、相互理解を深めることを目指しています。毎年、東京大学運営委員会では、参加者が自分の可能性と未熟さを認識し、より成長できるように、この東京カンファレンスを準備・計画することに多くの時間をかけます。東京カンファレンスは、ハーバード生にとっての日本の理解を深める機会であることはもちろん、日本人である私たち自身も日本についてとらえなおす好機でもあります。



 HCAP東京大学運営委員会のメンバーは、より良いカンファレンスの実現と、そこから拓かれるより大いなる前途のために、日々様々な活動を続けております。
 プログラム参加を果たすべく少しでも深みのあるカンファレンス計画を考えるアプリケーション作成、カンファレンスの充実化に不可欠ともいえる御協力をしていただける企業との交渉を進める渉外、ビジネスマナー・スキル勉強会、カンファレンステーマ勉強会、コミュニケーション能力向上のための英語ディスカッションなどを通じ、我々HCAP東京大学運営委員会のメンバーは、信頼できる仲間と共に自身が洗練されていく喜びを糧とし、日々の研鑽に努めております。

HCAP東京大学運営委員会は、


「日本の先頭に立ち、国内外で活躍できる人材になるための第一歩を踏み出す」


を理念として掲げております。

上の理念の実現に向け、以下の点に留意し、日々の活動に取り組んでいます。



1.新たな「気付き」を糧に自らを成長させる

 委員会のメンバーとはもちろん、ご協賛頂く企業の方々、カンファレンス中にお招き・お伺いする多様なお立場の社会人の方々、アジアの国々からの学生、米国内外出身のハーバード大生、といった様々な人と交わることができるのがHCAPの活動の特徴です。このような活動を通して、メンバーはここでしか得られない「気付き」を得ることになります。

社会と交わることで、その中での自分の小ささや未熟さを認識するなど、社会の中での自己を相対化します。また多様なバックグラウンドをもつ学生との交流では、彼らの意識の高さに危機感を抱く一方で、異なりながらも理解し合えるのだということに一種の安心感を覚えるなど、自己の現状と可能性を客観的に見つめ直します。そしてこれらの「気付き」をきっかけに、限られた価値観によって規定されていたそれまでの狭い世界から抜け出し、本当の意味で"次のスタート地点"に立って、理念に掲げたような人材となるべく歩み始めます。



2.視野を地球規模に広げ多角的な視点をもつ

 カンファレンスでは、何かの利益を代表するわけではなく、あくまでも一個人としての立場で自分の意見をぶつけ議論できる、というのは学生主体のプログラムであるHCAPならではのものです。こうした建前ではない"本音の議論"において、メディア等を通してでは決して聞くことのできない意見を他国の学生から聞き、自らの前提さえも崩れるような体験をして、それまでの思考枠組を超えた多角的かつグローバルな視点を獲得します。



3.深い人間関係の構築

 カンファレンス期間中はもちろん、学生主体で1週間強に及ぶカンファレンスをゼロから企画・運営するプロセスにおいても、各国の学生・委員会のメンバーと真剣な議論を重ね意見を交すことで、国内外に信頼できる知己をつくり、ともに高め合う関係を築きます。2で言及した通り、HCAPが利害関係のない学生の集まりだからこそ、個人として互いにどう考えているのか忌憚なく語り合い、深い人間関係を構築できることを確信しています。また活動終了後にも積極的に交流を続けてより深い関係を築き、切磋琢磨していきます。



4.「気付き」から「発信」へ

 HCAPの経験を通して「気付き」を得てもそれが個人の中で収束してしまったのでは、団体としての意義は薄いものになってしまいます。よってカンファレンス後には個々が得た「気付き」をシェアする場を設け、それをさらに発展させていきます。また自分達の抱いた問題意識をもとに、HCAPの次年度のメンバーを始め自分達の外へ、次世代へと働きかけるなどのアクションを起こし、相互作用的な成長を目指します。